なぜ香港人に富裕層が多いのか、その理由や仕組みを解説

Hong Kong peak view to the central area 香港

香港にという世界でも有数の駐在生活費の高い地域で不思議に思うことがあります

それは香港人になぜ金持ちが多いのか

生活コストは非常に高いはずなのにどのようにして金持ちが生まれるのか、少なくともアジアでの長者番付でもランクインするその仕組みは何かを考えることで近づけるヒントが見つかるように思いました

この記事が皆さんの参考になれば嬉しいです

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香港人はどれぐらいお金持ちか?

香港は裕福な都市のイメージがありますが、街中の路地を見れば貧富の差が大きいのが見て取れますが、実のところ平均年収(中央値)でいうとそれほど多くありません

2022年第3四半期の香港の就業者の年収の中央値は約369万円です

また、香港政府統計局によると、大学新卒の平均年収は約460万円です(学部によってかなり差がある) 就く業界や仕事、エリアによって差が大きく、学歴や職歴、ポジションによって相当に差が付くのが実情です

しかし一方で富裕層の数が多いことも特徴です。以下に、香港人の金融資産についていくつかのデータをご紹介します。

  • 香港の富裕層の数:香港では、資産1,000万香港ドル(約1億4,000万円)以上を持つ富裕層が51万5,000人に達しています。これは香港全人口の8.7%(12人に1人)が富裕層に当たります。
  • また、スイス金融機関UBSが発表した2023年版の世界の家計資産に関するレポートによると、100万米ドル以上の資産を持つ香港の富裕層は62万9155人で成人の10人に1人の割合。100万米ドル以上の資産をもつ香港の富裕層は、28年には23年比で17%増となる見込み
  • 平均資産:同スイスUBSのレポートでは、香港人成人の一人当たりの資産平均保有額は約58万2000米ドル(約9400万円)で世界3位にランクされています、中央値では20万6859ドルで世界4位

野村総合研究所の推計による日本の状況(2021年)と比較しますと、富裕層(純金融資産1億~5億円)は約139.5万世帯、超富裕層(純金融資産5億円以上)9.0万世帯です。

全世帯数が5500万世帯ほどですので、富裕層以上の世帯は全体の2.7%です。

イメージでいうと、30人クラスで1人いるかどうかです

香港の資産1000万HKD以上の富裕層が全人口の8.7%(1クラスで3人ほど)あることと比較すると、その差は歴然ですね。

単にとびぬけた超富豪が平均を引き上げているのではなく、全体として富裕層が多いというのはデータも証明しています。

署名な香港人大富豪はだれ?

フォーブスが発表した2023年の香港長者番付によれば、香港で最も裕福な50人のリストが公開されています。その中から代表的な大富豪をご紹介します

李嘉誠

香港最大の企業集団である長江実業グループの創設者、純資産は390億米ドル

李兆基

不動産デベロッパー恒基兆業地産の創設者、純資産は303億米ドル。現在、恒基兆業地産は香港セントラルハーバーフロントに146億米ドルの商業ランドマークを建設しています

鄭家純

2016年に亡くなった不動産開発大手新世界発展の創業者である鄭裕彤の息子。彼は周大福ジュエリーグループの会長でもあり、ゴールドジュエリーの需要増により純資産が25億米ドル増え、289億米ドルになった

ジーン・サラタ

アジア最大級のプライベート・エクイティ・ファンド運営会社BPEAを率い、スウェーデンのEQTが75億ドルでBPEAを買収したことで、純資産は前年の29.5億米ドルから2倍の59億米ドルに増加しました

香港の富裕層は多岐にわたる分野で活躍しており、その成功は注目に値します

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香港が富裕層になれる理由

先ほども書きました通り、香港の平均給与は日本よりすこし高い程度です。一方、物価は倍以上に高く、家賃も相当に高い場所が多いです。そんななかでどのように資産を築くのでしょうか

まず文化的から

両親・家族と暮らすのが一般的なため、生活コストは掛からない傾向にあります。家族全員で稼ぐなら、世帯全体の稼ぐ力は相当なものになる一方で、世帯支出も少なくて済むので当然お金は溜まりやすいです。公共交通機関や公立病院は非常にリーズナブルなので、所得が少ない時にもあまりお金を使わずに済みます

投資・運用

香港は投資や金融商品が非常に充実しています。

国際的な香港証券取引所を抱え、香港株のほか、米国株、中国株、世界各地の投資信託にも銀行のオンラインバンキングから簡単にアクセスできますし、為替をふくめて金融リテラシーが相当高いので、日常的にだれもが資産運用を手掛けており、朝の通勤時に携帯で株価をチェックしているかたをよく見かけます。

そのほか、難しい株式投資だけでなく、銀行の定期預金(6か月や12か月)でも2024年1月現在で普通に4%台の利息が付きますので、すぐに使う当てがなければ定期預金に入れておくことも選択肢の一つです

税制

そして、何より重要なのは香港の税制です。世界でも有数のタックスヘイブン地域の一つと考えられています。給与所得税は標準税率15%しか掛りません(日本の所得税は累進課税で最高45%!)

資産運用に関しての税金面でのメリットもあります。資産の売買によって得られるキャピタルゲイン、利息や配当によって得られるインカムゲインには基本的に課税されません(日本は、20.315%)

人生の稼げる30~40年を掛けてずっとこの税金差が続きますので、複利効果はとてつもなく大きな差を生みます。日本ではなかなか金持ちが残らない訳です・・。また金持ちになってきても資産運用に係る税金が軽いので増やしやすい環境が整っています。相続税や贈与税もありませんので、世代を超えて金持ち家族が金持ちで居続けるハードルがひくいのです

また、法人税率が16.5%と世界の先進国のなかでも低いことから、起業して個人で事業を営むかたも少なくないです。また、会社の従業員として雇われつつ個人経営の法人を持っているという人も少なくありません。お金持ちは複数のマイクロ法人を持っているような話もしばしば聞きます

じゃあ、移住しようという所に至るにはハードルが高いかも知れませんが、留学や駐在で香港にすみ香港IDをもったなら、銀行口座を開設して、積極的にこのメリットを生かして運用してみるのもいいかもしれませんね。ただし運用はあくまで自己責任でお願いいたします

まとめ

香港人の富裕層はできるだけ抑えらえる支出を抑え、低い税金をしっかり活用して資産運用や事業を回すという実践をしてきた人から、労働者階級を抜け出しているように見えますね!

日本でも2024年1月から新NISAが始まり、投資への税金が下げられました。また近年、副業を認める会社も出てきています。香港ほどではないにしても、以前より富裕層になれるチャンス・環境が拡大しているわけですから、このチャンスをしっかりと掴めるように動きましょう。

私は香港にいる間に、しっかり低税率を活かした運用を取り組もうと思います。ただ、中国経済の先行き不透明感が強く香港株が一向に振いませんので、定期預金を中心に手堅い運用方針で狙います

では

るるぶ香港・マカオ’25
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